いぬの死に、涙

昨夜九時頃、我が家の愛犬 桃太郎(♂)が15年の生涯に幕を下ろしました。一昨日会った時にはほぼ寝たきりでかろうじて牛乳を飲める程度、しかも歯の隙間からスプーンで流してあげないと飲めない感じでした。
彼が我が家へやって来たのは僕が家を出て八ヶ月後くらいだったでしょうか。「二十歳になったら家を出ろ!」との親父が決めた家訓に従って家を出た僕は、遠く府中の街で一人暮らしをしながらアルバイトと勉学にあけくれていまして、まぁいわゆるホームシックでありながらも家には帰らず、久しぶりに帰った時に彼はいました。

帰宅して内扉を開けた僕に家の奥から猛ダッシュで突っ込んで来たかと思えばそのまま運良くキャッチした僕の顔をペロペロ。一度も会った事が無いのに家族だとわかった彼に僕は感動をおぼえました。

しかしながら大の犬猫嫌いだった親父が犬を飼い始めたというのはかなりの驚きでして、家族構成の変化に戸惑っていたんじゃないかとその時に感じました。自分が決めた家訓なのに。確かポケベルやらケータイでメッセージをやりとりする回数はほぼ毎日だったと思います。まぁ、今思えばあの当時にケータイ持ってる人なんてあまりいなかったし、そんなものを子どもに持たせてたと言うのはそういう意味もあったのかも知れません。

理由はともあれ我が家に犬がやって来て15年。ほとんど吠えず、僕がたまに帰れば大歓迎してくれた桃太郎。電話で会話した事もありました。いわゆる空気を読める犬だったので気苦労も多かったと思いますが、先に逝った親父と一緒に楽しく暮らしてくれたらなと思います。

お前ほど人の気持ちがわかる家族は後にも先にも出てこないと思うぞ。最後まで手間のかからないお前の立ち振舞いにも頭が下がる。


桃太郎、ありがとうな。